日割り予算をエクセルで計算する方法締め日・土日祝にも対応する式
日割り予算は、エクセルやスプレッドシートでも計算できます。この記事では、セルの並びと式をそのまま載せています。締め日が土日祝のときに前後の営業日へずらす式、月末締めの式、使いすぎた分を余りで吸収する式まで、アプリ「カケイロ」と同じ結果になる書き方です。
できあがりのイメージ
1枚のシートに、入力するセルと計算するセルを並べます。表示形式は、日付のセルを「日付」、金額のセルを「通貨」か「数値(桁区切り)」にしておくと見やすくなります。
| セル | 内容 | 入れるもの |
|---|---|---|
| B1 | 月の予算 | 120000 |
| B2 | 固定費(今期の合計) | 55000 |
| B3 | 締め日(月末なら 31) | 25 |
| B4 | 今日 | =TODAY() |
| B5 | 昨日までに使った額(固定費は除く) | 52000 |
| B6 | 今期の締め日 | 式(後述) |
| B7 | 今期の開始日 | 式(後述) |
| B8 | 残りの日数(今日を含む) | =B6-B4+1 |
| B9 | 今日使えるお金 | =MAX(0,INT((B1-B2-B5)/B8)) |
| C1〜C5 | 何か月前・後か | -2, -1, 0, 1, 2 |
| D1〜D5 | 締め日の候補 | 式(後述) |
1. 祝日の一覧を用意する
土日祝で締め日をずらすには、祝日の一覧が必要です。新しいシートを作って名前を「祝日」にし、A1 に見出し、A2 から下に祝日の日付を入れます。祝日の日付は内閣府の「国民の祝日について」のページで CSV として公開されています。
銀行が休みの年末年始(12月31日〜1月3日)も休みとして数えたい場合は、12/31・1/2・1/3 も一覧に足してください(1/1 は祝日なので入っています)。カケイロのアプリと計算ツールは、年末年始も休みとして数えています。
2. 締め日の候補を出す
締め日が土日祝でずれると、今日がどの期間に入るかが変わることがあります。そこで、前々月から翌々月までの5か月分の締め日をいったん全部出してから、今日に合うものを選びます。C1〜C5 に -2〜2 を入れ、D1 に次の式を入れて D5 までコピーします。
前の営業日にずらす場合
=WORKDAY(MIN(DATE(YEAR($B$4),MONTH($B$4)+C1,$B$3),EOMONTH($B$4,C1))+1,-1,祝日!$A$2:$A$60) 次の営業日にずらす場合
=WORKDAY(MIN(DATE(YEAR($B$4),MONTH($B$4)+C1,$B$3),EOMONTH($B$4,C1))-1,1,祝日!$A$2:$A$60) ずらさない場合
=MIN(DATE(YEAR($B$4),MONTH($B$4)+C1,$B$3),EOMONTH($B$4,C1)) ポイントは3つです。
MIN(DATE(…),EOMONTH(…))で、31日締めでも30日までの月や2月は月末になります。WORKDAY(日付+1,-1,祝日)は「その日が平日ならその日、休みなら直前の平日」を返します。WORKDAY(日付-1,1,祝日)は「その日が平日ならその日、休みなら直後の平日」を返します。
3. 今期の締め日と開始日を選ぶ
候補の中から、今日以降でいちばん早い日が今期の締め日、今日より前でいちばん遅い日の翌日が今期の開始日です。
B6(今期の締め日) =MINIFS(D1:D5,D1:D5,">="&B4)
B7(今期の開始日) =MAXIFS(D1:D5,D1:D5,"<"&B4)+1 MINIFS と MAXIFS は、Excel 2019 以降・Microsoft 365・Google スプレッドシートで使えます。この5か月分の候補から選ぶやり方は、2025〜2027年のすべての日付と、締め日(1〜31日・月末)×3通りのずらし方の組み合わせで、カケイロのアプリと同じ期間になることを確かめています。
4. 今日使えるお金を出す
B8(残りの日数) =B6-B4+1
B9(今日使えるお金) =MAX(0,INT((B1-B2-B5)/B8)) INT で1円未満を切り捨て、MAX(0,…) で今月の予算を超えたときにマイナスにならないようにしています。
例:2026/10/20(火) に計算すると
25日締め・前の営業日にずらす設定だと、10月25日は日曜なので、今期の締め日は 2026/10/23(金) になります。今期は 2026/9/26(土) から 2026/10/23(金) まで、今日を含めて残り 4日です。
(¥120,000 − ¥55,000 − ¥52,000)÷ 4日 = ¥3,250
計算ツールに同じ数字を入れると、同じ結果になることを確かめられます。
5. 使いすぎを「余りで吸収」したい場合
1日の額を固定して、使わなかった分を余りとして取っておく方法です(違いは日割り予算とはで説明しています)。次の3つのセルを足します。
B13(1日の基本額) =INT(MAX(0,B1-B2)/(B6-B7+1))
B14(昨日までの余り) =B13*(B4-B7)-B5
B15(今日使えるお金) =IF(B14>=0,B13,MAX(0,INT((B13*B8+B14)/B8))) 上の例なら、1日の基本額は ¥2,321、昨日までの余りは ¥3,704 で、今日使えるお金は ¥2,321 です。
6. 色で見分ける(条件付き書式)
B11 に今日使った額、B12 に =B9-B11(今日あと)を入れ、B12 に条件付き書式を3つ設定すると、アプリと同じ基準で色分けできます。上から順に判定されるようにしてください。
- 使いすぎ(朱):
=OR($B$12<0,$B$1-$B$2-$B$5<0)(今月の予算そのものを超えた場合も含む) - ぎりぎり(金):
=$B$12*10<=$B$9*3(今日の分の30%以下) - 余裕あり(翡翠):上のどちらでもないとき
エクセル管理で手間になるところ
式ができれば計算は自動ですが、毎日の支出を入力して B5 を更新する手間は残ります。支出を別のシートに日付つきで記録し、=SUMIFS(支出!C:C,支出!A:A,">="&B7,支出!A:A,"<"&B4) のように集計すると少し楽になります。
記録のたびに自動で計算し直してほしい場合は、アプリを使う方法もあります。カケイロはこの記事と同じ計算を iPhone の中で行い、今日あといくら使えるかを色と文字で表示します。